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意識の矢印(相手に向けて見えてくる新たな景色)
自分の意識がどこに向いているか考えた事がありますか?

意識には矢印があります。これを自分に向けるか、それとも相手の方へ向けるかによって、考え方、起こす行動が大きく変わってきます。つまり、「意識の向き」が自分の全ての心理・行動のベースになっているのです。

10年前、本当に大勢の人前でスピーチを発表する機会がありました。それが私のスピーチデビューでした。もう自分でも、どうしてここまで全身が緊張してしまうの??と不思議になるくらい、口の中カッサカサ、全身ガチガチ、心臓バックバクのパニック状態に陥ってしまい、「この人は緊張している」という情報以外、何も伝えられませんでした。スピーチ後、皆さんからのご意見やフィードバックを頂きましたが、頑張って作り上げた自信のある話の内容について何一つコメントが無くて、強い挫折感を味わいました。

その後の懇親会で、優しい男性の先輩からは、「大丈夫、すぐに上手になるから。」と励まされ、僕の中でも、(えらい恥かかされて、めっちゃ残念やったけど、まぁ初めてだししょうがない。場数を踏めばもっとかっこよく話せるようになるやろう)と考えていました。

でも正直その時の話の内容に関してはすごく自信があったんです。自信があったからこそ、懇親会の後の帰り道一人歩きながら、みんなに伝えて共感してもらいたかったなぁという思いがこみ上げてきて、改めて自分のスピーチを振り返ってみた時、あの壇上から見えた、聴き手の曇った表情が蘇ってきました。そこではっと思ったんです。一番残念な気分を味わったのは聴き手だったかもしれないって

それが、スピーチするときは、意識を自分から聴き手に向けないと行けないってことに気づいた瞬間でした。

その気付きが生まれてから、大勢の人前で話をする時、私の緊張の質が以前と変わってきました。「恥をかいたらどうしよう」から、「せっかく聞いてくれる人達に喜んでもらいたい。」に変わってきたのです。

しかし、そんな風に成長を遂げた私ですが、最近またも大失敗をやらかしてしまいました。謙遜という行為による失敗談です。

昨年末、私は古民家カフェで行われた朗読ライブに、落語の演者として参加しました。開演2時間前に到着、静かで薄暗く神秘的な会場の雰囲気に、発表前の緊張感も重なり、私はなんとなく飲み込まれていました。そこにムスッとしたオジサンが一人入ってきます。私のことをじろっと見たので、反射的に軽く会釈しましたが、普通に無視されました。今から思うと、私の意識の矢印はこの瞬間既に内向きになっていたのだと思います。

そこへ、オーダーを取りにカフェのママさんがやって来ます。明るいママがそのオジサンに、「○○さん、久しぶりやね。どうしてたん?あっそうや、今日は朗読ライブがあってな、そこにいるその人が落語してくれるんよぉ」と紹介してくれたんです。

その時、むすっとしたオジサンが表情を緩め「へぇ~、どんな落語すんの?」とママと一緒に視線を向けてきました。私はとっさに、「いえいえ、素人なんで。大したことないです。」と言ってしまいました。その時私はママとオジサンの「ふーん、そうなん。。」という感じの曇った顔を見ました。そして猛烈に反省しました。意識の矢印が内に向いていることに気付いたからです。

本来、謙遜は、相手の気分を害さないための美しい行為です。でも意識の矢印から紐解くと、今回の私の謙遜は、矢印が自分に向いていますよね。つまり、本当は自信があるけど、後で大したことないやんと思われるのが嫌なので、謙遜している。

もしもう一度同じ場面に戻れるのであれば、こう言えたらと思っています。「はい、江戸落語やります。今日はお化け長屋っていう古典落語なんですけど、これがめっちゃ面白いです。よかったらぜひ聴いていって下さい。」。これは、私に対して興味を持ってくれたオジサン、そして会場を提供してくれるママさんへ意識を向けた言葉です。この言葉が言えれば、声掛けしてくれたお二人にきっと喜んでもらえたはずです。

このように、ちょっとした意識の向きの違いで、結果が大きく変わってきます。

意識の矢印を相手に向ける、それは相手の立場になって、今この現場を見る、そして聞くことです。今相手がこの場面をどう捉えているのか想像する、そこに集中できれば、意識の中で「自分」が消え、相手との関係が深まるような言葉、行動がごく自然に生まれてきます。

まるでドローンで上から全体を俯瞰して見ている感じです。

それは、内向きの意識の時とは全く違う景色です。

よく観察すると、人が周りに集まってくる人って、矢印を相手に向けている人が多いです。

意識の矢印が内向きのまんまで、 目上の人から好かれる人いません。

スピーチの上手い人いません。

好かれる営業マンいません。

たくさんの人と深い人間関係が築ける人いません。

そうやって考えると、意識の矢印というのは、仕事・人間関係を改善する、さらに言えば人生の豊かさの一番ベースとなるスキルだと思うのです。

意識の矢印を相手に向ける事に集中する。そうすれば感じ方が変わって、言葉、そして行動が変わります。それは相手に必ず伝わり、相手の意識もこっちに向いてきます。今まで生かせなかった新しい交流の機会がどんどんやってきます。

他人であれば、友人であれ、家族であれ、相手が誰であっても、人と向き合う時には、ちょっと意識の矢印を確かめて見てはいかがでしょうか?

2016-05-04 14:16:00